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2020-11-17

1/160日本丸(帆付)

千葉県佐倉市 土居 砂登志 様

 初めまして。千葉県の土居と申します。このたび、1/160日本丸模型(帆付き)を完成させましたので、その感想や気づいた点、完成写真を勝手ながら送ります。
 私は1981年に住友重機械に入社し、造船所に配属後すぐに日本丸の設計および建造工程を担当する幸運に恵まれました。造船技術者として皆さんに愛される帆船の建造に関われたのは、一生の誇りと思っています。
 一昨年、会社の定年退職記念としてこの模型を作ってみようと思い立ち、購入から1年半かかりましたがようやく完成しました。元々プラモデルやペーパークラフトが好きで時々作っていましたが、船体を一から組み立てていく木製帆船は初めてです。いろいろ苦労しながらも製作を楽しみ、出来栄えには自分なりに満足しています。
 

 以下、気づいた点を記します。 ※【】は説明書の工程番号です

1. キット全般、部品等について
・レーザーカットのフレーム精度が素晴らしく、船体を歪みなく組立てられ、また外板のきれいな曲面形状も作れました。【4】【5】の削りが精度のキモですね。
・ターンバックルを最初に甲板に取り付け後、バックステイ張るまで期間があるため、その間下端部がこじれたりして何本か破断しました。また、ヤード取り付けプレートも曲げの繰り返しに弱く、ヤード角度調整の際に切れたりしたため、修復に手間取りました。まあ、作り手の不注意のせいかもしれません。( ノД`)シクシク…

2. 組み立て説明書の内容について
・全体的には写真付きでわかりやすく、またロープ張りに関しては、「先の工程も読んでおけ」が実に効果的な注意でした。組み立てやすいよう、工程順序を自分なりに変えたところもあります。
・ステイ【57】やバックステイ類【65】は、あとの作業性を考慮して、図面から概略長さを想定しながら、マストを立てる前の【49】の段階で先行してマストへ取り付けておきました。(実船建造時も同様でした)
・1か所間違えたのは、船体外板張り【8】のところで、「船尾の基準外板を船尾フレーム後面でカット」に従い、【9】で「イ」部外板も同様にすべてカットと誤解して船尾フレームの所で切りそろえてしまいました。【15】で初めて船尾ブロックの下に外板がないことに気付き、ポリパテで修正しました。【9】の図をよく見てればわかったはずですが(;’∀’)

3. 実船との相違点について
模型なので色々と省略があるのは当然ですが、実船の写真等で確認して以下の点が異なるようなので修正しました。(主に帆装関連)添付模型写真をご参照ください。

【48】部品53(ゲルントップ)の後部スプレッダは、ミズンだけこの形状で、フォアとメインは後端のアーチ形状部はありません。(切り取りました)ミズンは、アンテナ設置用の基部としてこのアーチがあります。また、部品68(アルミ帯板)は3周巻くと厚くなりすぎ、かつ帯板が足りなくなりそうなので1~2周巻きにしました。(バウスプリットも同様)
【61】ジガーマスト最上部の帆(ガフトップスル)のシートロープ(ビレイピン160,157へ)の引きこみ方が左右舷逆ではと思います。この模型は左舷が風上想定になっていますが、ガフトップスルのみ、他のステイスルとは反対側のシートを張り込むようです。帆の下端が下のブームの左舷側に出るように、160を緩めて157を張りました。    
【68】ブレースランナの張り方について
アッパートップおよびロアトップのブレースランナー((ハ)赤線と(ロ)緑線)端部は、後部マストのトップボードでなくゲルントップ部に固定されます。また、ヤード端につくブロック付きロープは、この2つについてはもっと短いです(ヤード引き込めなくなるため)説明書の通りにすると、ブレースを引き込むときに下方向への力が強くなり、ヤードをうまく回せません。
【69,70】バンプキン経由でのブレースのロープ引き込みですが、ロアヤード用(青線)は、ブロック(イ)と、バンプキンのロープ付きブロック間で1回半折り返してさらに別のバンプキン付ブロック経由でビレイピンに引き込まれるようです。したがって、バンプキンには合計3つのブロックを取り付けました。

4.その他、自分の好みでディテールアップしました。
・船体:舷側中央部に荷役用ドア表現、舷側青色ストライプを船尾唐草模様まで延長
・甲板艤装:赤色のアクセントになるため、救命浮輪、消火器格納箱、消防ホース格納箱取り付け。舷側手すり上部は茶塗装(チーク材表現)、階段手摺(真鍮線)、塗装一部修正
・塗装色:好みによると思いますが、自分が実船のイメージに近いと思うものを使いました。
 ※クレオスMr.カラー(ラッカー)の番号
  船底:あずき色(81)
  マスト、ヤード:薄茶色(51)
  舷側青ライン:船首シールの2色に合わせて、キャラクタブルー(110)とスカイブルー(34)
・バウスプリット:ボブステイおよびドルフィンストライカを真鍮線で製作、ネット取り付け、フォアマストからのステイ類は、バウスプリット上面滑車で引き込み端部ターンバックル表現
・ステイ、シュラウド類:端部ターンバックル表現、ラットライン下段は角材、ジガーマスト上部に縄梯子
・ヤードにフートロープ(貴社から追加図面を送っていただきました。ありがとうございました。)マスト上部のアンテナ類、衛星アンテナドームなど

 長々と書いてすみません。全体的には非常に満足のいくキットで、家族にも感心されました。
 うちの宝にします。ありがとうございました。

住友重機械工業様の元社員様に製作していただき光栄です。模型開発の際は住友重機械工業様より資料をご提供いただきました。土居様は、建造を担当されていらしたとのことですがさすが細部の再現も実船に即して大変美しく完成しており、設計士も感心しておりました。ご助言も大変有難く参考にさせていただきます。

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